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2019年5月21日 (火)

ルート・ブリュック 蝶の軌跡(東京ステーションギャラリー)

フィンランドのセラミックアーティストの個展だす。当初は2階3階全作品撮影可能だったそうだが、GWに結構人が押し掛けたようで、シャッター音だらけになって苦情が多数入ったため、3階を撮影不可としたそうな。シャッター音イヤイヤのオレからすれば、そもそもなんでそんな全作品撮影可などというバカな大盤振る舞いをしたのか気が知れねえが、思うに、そんなたくさん人が来るとは思ってなかったんじゃなかろうか。知名度もあるとは思えんしな。撮影についてだけじゃない。なぜか細い通路で映像を流していて、そこに人が溜まってしまって通りづらいのです。これも人数少ないと読んだところかと思うのです。しかし内容は大変いいんですよ。ここはいつだっていい着眼でいい企画やるから、とうとうパスポート買っちゃったよ。この先も全部行くと思う。

なもんで、最初の3階はシャッター音で気が散って(たかがシャッター音ごときで集中できなくなるの~? とかヌカしてる御仁もいるが、てめー基準でモノ考えるんじゃねーよ。ヘッドホンステレオのシャカシャカ音もそうだが、音量の問題じゃねーんだよ。気になる感覚は人それぞれなんだぞ)、ソシャクに時間がかかる、というかあんましてない。最初のところに遺された陶板(モザイク)で新しく作った「心のモザイク」という大作があるが、思えばこれ最後の方がよかったねえ。というのも晩年の作品に近いもんでね。最初は絵を描いて焼いたものが多くて、絵画に近い。でも質感が焼き物なわけです。やっぱり単なる絵よりも、建物とかの形状に切って彩色したヤツの方がいいね。家とか、教会とか、ノアの箱船もあるぞ。あとポスターになっているのは「ライオンに化けたロバ」というもので、文字通り動物。それから「鳥」という置物っぽいものや、「母子」という立体作品もおもしろい……いや、全部写真に撮っているヤツいるけどさ、陶の作品って、キネティックっていうのかな、鑑賞者が動くに連れキラキラする、そこも楽しからずやなんだがね。写真に撮って満足してどーする。それから……作品タイトルに、出品リスト番号が載ってねえ。作品のところにメモるには、タイトルを探さないといかん。面倒なんであまりメモってねえ。

階を降りて2階に。シャッター音が聞こえなくなり一気に環境がよくなったぜ! ……なに? 違いが分からない? なんでこの環境の差が分からんのだ! まあいい。蝶を描いた器(?)の作品多数。一つに一匹。なかなかリアルな感じでいいよ。作り方の簡単なアニメがある。2度焼いてるんですって。六角形のブロック状のものを積み上げた「ヘキサゴン」も面白い。それから初期にはなかった金色の作品が登場。ちょっと神秘的な、「ムー」に出てきそうな感じ。このあたりから絵ではなくて、抽象的な立体が増え始める。「レリーフ」なんていうシンプルなタイトルだったり。それから今度は黒い作品が出始めた。「泥炭地の湖」抽象っぽい。黒でも光沢の黒と艶消しの黒が入り乱れ、これが結構面白い。あと、横の方から見ると異星人の都市みたいじゃないかい。「木」は黒い陶タイルで木の形を作ったもの。黒といえばねえ、ラウル・デュフィの晩年、黒い船のあのインパクトを思い出すな。アーティストは晩年になると黒を使いたくなるのかねえ。あと、白だけのもある。小さい陶タイル……モザイクか、を組み合わせた抽象。もはや初期の絵本みたいな世界じゃなくてバリバリ現代アート。公共アートの映像があって、アーティスティックに終了。

うん新鮮だ。いい作品群だ。3階のシャッター音が気にならなければ。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201904_rutbryk.html

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