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2019年5月19日 (日)

印象派への旅 海運王の夢(Bunkamuraザ・ミュージアム)

ウィリアム・バレルというスコットランド生まれの英国人のコレクションだす。写実から印象へという手堅い人気のテーマですな。

最初にいきなりゴッホ「アレクサンダー・リードの肖像」バレルとかかわりもあった画商ですって。うむ、原色の点描というか短線というか、その描きっぷりもなかなかいいじゃないか。いやそれより諸君、このゴッホ、なんと「照明が明るい」のだよ。ここんとこゴッホ展はことごとく照明が抑えられててチクショーメイ暗いじゃねえかとか思っていたが、これはちゃんと明るい。「あの日見たゴッホ」じゃなですか。ナイスだ。えー次、「身の回りの情景」というコーナー。フランソワ・ボンヴァンとかいう人「スピネットを弾く女性」ほう、後ろ向きで一人で、ちょっとハンマスホイ風だな。テオデュール・リボー「勉強熱心な使用人」もわっとした光に浮かぶのがいい感じで、ヤーコブ・マリス「クジャクの羽根持つ少女」ええー、もーちょっと成長してくれりゃあ萌える絵なんだがね、イマイチガキンチョだな(そんな視点で見てんのかよ)。この人「姉妹」とか「若き芸術家」という水彩も出ているが、いずれも子供ですな。カミーユ・コロー「耳飾り」人物とは珍しい。おおトップレス……ってほどでもないか。写実的。アンリ・ファンタン・ラトゥール「入浴する女性」、おお、巨匠だけど絵は小さい。

次は「静物」コーナーだお。クールベさん「アイリスとカーネーション」リアルか。暗い絵だな。ファンタン・ラトゥールの「春の花」これは写実っぽい。うん、普通にうまい絵だ。あと「桃」が2つ……しかしなんだな、ここまでほとんど小さい絵が多いな。三菱一号館なんかで見た方がいい感じのもんが多いのだが。ボンヴァン「狩りの獲物のある静物」でたぜ死んだウサギ。カワイソウ。♪ウサギ美味しかの山~ですな。ええとクールベさん「リンゴ、洋なし、オレンジ」、セザンヌ「倒れた果物かご」、ルノワール「静物-コーヒーカップとミカン」という小さいのが3つきれいに並んでいる。小さいながらそれぞれに画家の個性がちゃんと出ておる。ほう、もしかしてコレクターバレル氏の好みか? なるべく小さいところに個性が凝縮されてるのが欲しいとか。あるいはたまたまそういうのも持ってきているだけかな。

「戸外に目を向けて」ということで、「街中で」というコーナー。アーサー・メルヴィルのシミのような技法が個性的だ。うん、シミみたいだもんなあ。印象派的ではある。「グランヴィルの市場」なんて人物の顔が顔がそれでいいのか。そんで目玉のドガがある「リハーサル」うむ、なかなかいい絵ですよ。光の感じよしですよ。いやここまでの展示が小さいとか地味とかいうのは、これを引き立たせるだめじゃね? なんて思ったりしてな。なんかいろいろ説明も書いてあるんだけど、私は「怖い絵」のドガんとこ読んだら、あまり素直に見れなくなったお。セレブなキッズのバレエ教室とは違うんですなあ。ええそれから「郊外へ」というコーナーになり、アンリ・シダネル「雪」おお、このぶわっとした画面(……って書いたって分かんないよな)。この強力な個性いいじゃん。雪の町。暖炉のオレンジが見える窓一つ。ニクい演出ですな。前にシダネル展があって、まとめて見るとどうということはないと思ってしまったが、いろいろな絵の中でシダネル見るといいですな。それからマティス・マリス「蝶」女性像だが、顔ちょっと怖いね。アドルフ・モンティセリ「庭で遊ぶ子どもたち」ロココあたりの雅宴画(貴族が遊びほうけてる絵)の雰囲気で印象派をやったとか。はあ、なるほど。オノレ・ドーミエ「ヘラクレス」どう見てもおっさんだが。あとはどってことない絵が多いが。ジョルジュ・ミシェル「嵐雲」小さいながら上半分が雲でまずまずの雰囲気で。ドガがもう1枚「木につながれた馬」うむ暗いな。

そして「川から港、そして外洋へ」ってことで川辺からドービニーの「ガイヤール城」いい風景画だなあ……ってメモってあるがどんなんだったかな。おっとピサロがある「水浴の女」これも小さいのう。で、なんとここから最後まで撮影可能なコーナー。10点以上ある大サービス。やったー! ……バッキャロー俺はシャッター音がキライなんだ(クレームねじ込むほどではないが)。最近の潮流でSNSでの拡散を当てにされ、インスタ蠅ばかり優遇しやがる。しかも量があると片っ端から撮ってくだけのシレモノが現れるしな。そのうち静かに見たい組は喫煙者みたいに肩身が狭くなっちまうよな。で、ここにいい絵が2枚、クールベさん「マドモワゼル・オーブ。ドゥ・ラ・オルド」さすがクールベさん、目力のある人物像じゃん。しかし日傘が気になるな、傘の柄が円形の中心じゃなくないか? 半球形を斜めから見たんでずれている? いやー、なんかそうは、見えないんだがねえ。あとは最後のシダネル「月明かりの入り江」青い画面が実にいい雰囲気じゃねーか。なんでこれ撮影コーナーにあるんだよっ。

小品が多いが個性はちゃんと出ている。手堅く楽しめる。撮影もできるしな。
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_burrell/

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