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2019年5月12日 (日)

キスリング展(東京都庭園美術館)

全体でキスリングだけという、なかなか贅沢な感じなんだけど、土曜の朝一で行ったら結構すいてた。エコール・ド・パリの有名人だけど、生まれはポーランドだって。出品リストをもらったが、リストが展示順じゃないのでメモが面倒。最近よくあるのが、リストは年代順で、実際の展示はテーマごとにバラバラってやつでな。近頃の流行りかね。

最初のホールにはいると絵が2つ「肖像画」うむブロンドの表現がいいね。おでこにリアルなしわが……と思ったら絵の具のひびではないか。それから「花」なかなか大きな絵ですよ。いろんな花があるが得意のミモザは含まれていないな。最初の部屋に入り、ここにも「花」というタイトルの絵。これにはミモザが一部。うん、やっぱりいいだろキスリングのミモザ。「カーテンの前の花束えーと、「強コントラスト」ってメモってあるが……どんな絵だったかな。「牡丹」のメモは「フォーヴ風若描き」ですって(ありゃ覚えてねえ)。「赤い長椅子に横たわる裸婦」これのメモは「モディリアーニかマティスか」これも覚えてね……いや、たぶん見れば思い出す。なんでこう忘れているのかボケたか。そうそう、花とか横たわる裸婦とか、同じような画題の絵をいくつも描くもので、ここにあったものが、そのどれだか思い出せない&この辺にあったのはどうも初期の方でキスリングらしくなくて、あまり個性が感じられなくて印象が薄いんだな。「サン=トロペでの昼寝」これも「感じが違う」んだって。何の? 次の「ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル)」これは覚えているよ。キスリングらしい女性像だし、ポスターにもなってるしな。廊下を渡って次の部屋。ここにも「花」しかし、これは明らかに凄い。記憶に残る。絵の具を盛った凹凸で花を描く。すげえ立体感だ。しかも鮮やか。今回の全展示で一つ選ぶならコレだね。「ツーロン」風景画。近代風の船がある港。へーこういうのも描いてたんだ。「カサゴ」魚の絵。珍しい。へーこういうのも描いてたんだ。ちなみにこの部屋で客は俺一人。あと監視の人一人。

階段を上がって2階へ。2階のホールに「赤い長椅子の裸婦」それにしても尻のデカい裸婦ですな。この絵は影がポイントなんだって。そういえばベッドの後ろに大きな影が。それから部屋に入って、ここからなんとなく年代順。「水差しと果物のある静物」セザンヌ風かと思ったが、これは普通の静物っぽい。「ルシヨンの風景」キュビズム風。へーこういうのも描いてたんだ(こればっかし)。「青い花瓶のある静物」これもセザンヌ風だが……いや、これは普通の静物ではないぞ。思いっきりセザンヌ風味。セザンヌの、あのアンバランスでありながら全体ではまとまって見える妙な静物画をやろうとしているではないか。キスリングはここまでセザンヌのエッセンスを真似できたのかとしばし驚く。ピカソはここからキュビズム等のデフォルメの世界を生んでいったのだが、キスリングもエッセンスを吸収している。「ブルターニュの女」「女の肖像」と進んでだいぶおなじみの「キスリング風になってきた」……ってメモってあるがまた忘却してるな。「座る若い裸婦」「座る裸婦」お、カメラ目線ではありませんな。左の方見てる。キスリングの絵はだいたいそうか。部屋進んで「緑色のスカートの女」これはオランダの衣装。「ル・ベック氏の息子」半ズボン男の子。いずれも手堅い肖像。

新館に移動。まだ肖像画が続く。「ジプシーの女」ほほー、こういうエキゾチックなのを描いてもやっぱりキスリングですな。ここにも「花」こまこましたやつはいいですな。またここにも「長椅子の裸婦」そうですね、ここにあるのは、乳白色にしたら藤田嗣治みたいな感じになるやつ。ちなみに同時代の藤田とは仲良し。「漁師」背景が色だけの肖像画が多いところ、これは風景の中の男。ちょっと珍しい感じ。「ミモザの花束」出ました得意のミモザ。でもこれはちょっと小さいかな(小さくもないのだが)。なもんで、あまり「おおっ」とはならない。「ブルターニュの女」……そうか同じタイトルのが前にあったんだ。ここにあるのはいいですよ。キスリングらしさ全開で。目の感じもいかにもだ。ラスト近く「果物のある静物」木のテーブルへの写り込みがおもしろい。

ミモザの大型のがほしかったが、「花」のいいやつもあるし、長椅子の裸婦も普通の肖像もあり、これだけ見れりゃ十分ではなかろうか。
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/190420-0707_kisling.html

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