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2020年6月15日 (月)

ピーター・ドイグ展(東京国立近代美術館)

本来の予定じゃ6月14日までだったが、コロナ禍でガッツリ延長された。事前予約制。サイトに予約のリンクがある、チケットぴあに飛ぶのでそこでチケットを買う。受け取りをコンビニにしようとするとクロークなるシステムに送られ、そこでコンビニ受け取りを選択する。チケット代の他にシステム利用料など300円もかかる! なんでっ! せいぜい100円ぐらいだろうよ。コンビニ行ってチケットマシンで直に買った方が100円ぐらいじゃないか? クロークってのがチケットを分配したり譲渡したり(?)できるものらしいが、普通に買いたいだけなんだからよけいなシステムをかませないでほしいんだがね。
それで、行ったら検温あり。消毒液あり。おしゃべりは謹んで。まあそれはそうだな。全点撮影自由。えー? もーやだー……シャッター音うるせーよ。なんつって3枚ぐらい撮っちまった(ガラケーなんでボケボケだが)。まあ現代のアーティストなんで、静謐な雰囲気でって感じのもんでもないしな。最近ちょっと慣れてきたってのもあるかも。
ピーター・ドイグは1959年生まれ。思いっきり現代アート。しかし抽象やらインスタレーションなんかが流行の現代において具象の絵画で勝負だ。

「第1章 森の奥へ」ということで一応年代順で2002年までの絵。最初の絵は「街のはずれで」……うーん、ヘンな木だな……以外何も浮かばない。別に写実でもないし、荒々しくもないし、静謐でもないし、色が際だっているわけでもないし。「天の川」木などが水面に映っているが、水面側の方がはっきり描いてあるね。「のまれる」これも水面っぽい。あー、なんとなく抽象だな。モネの最晩年の、庭描いたヤツみたい。おっと、あっちにはちゃんと抽象画があるぞ、と思ったら違う。「スキージャケット」よく見ると、鳥瞰で人が小さく描いてある。抽象じゃないんだこれが。でも抽象画としても見れる。「カヌー=湖」この妙なカヌーの色……というかその上の水面に手を浸している人物……カッパか? うむ、どうやらゴーギャンの影響がありそうだぞ。まあ解説にもそう書いてはあったな。実際の色と違ってもいいんだ。自分の感覚に合えば何をどんな色で表現したっていいんだっ。というナビに従え。「若い豆農家」うむ、前面の木の枝。「ロードハウス」建物かカッチリ描いてあるね。画面三分割。「コンクリート・キャビン」木々の向こうに見えるのはコルビュジェの建物だ。「オーリン MKⅣ Part2」なんかスキーの……モーグルのジャンプみたいのしてる。下が緑なんだが。「山の風景の中の人物(アイ・ラブ・ユー、ビッグ・ダミー)」えー? どれが人物。そのデカいのか? という抽象みたいなの。「ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュベレ」タイルで彩られたダムへの道。雰囲気はいいよ。人物は微妙だが。
んなわけで、どの絵も見ているとまあまあ面白い……んだけど、こりゃスゲエってものがない。えー、だって、絶賛されてるじゃん。うん、でも自分にはどうも……で、その理由もボチボチ分かってくる。

「第2章 海辺で」ええと、2002年からの絵だって。「ペリカン(スタッグ)」滝の中央で人が浮いている。「無題(パラミン)」妖怪か。ラフに描いてあるが何か用かい? 「黒い少女」水着姿だけど、なんか怖いぞ。萌えねえ。「ピンポン」卓球の絵だけど、背景が四角を並べたヤツ。「赤いボート(想像の少年達)」あーこれもゴーギャン風か。「夜のスタジオ(スタジオフィルムとラケット・クラブ)」おお、なんとなくバスキア的な雰囲気。確かにバスキアの影響も受けたとか書いてあったような。でもこの絵の解説には書いてなくて、マティスの影響とか書いてある。おお、そうか、だからピンとこないのだ。そういえば全体にマティスの感じに近いしな。そして私はマティスを最も不得手としている。なーんかね、やってることも意図も分かるんだけど、それが素晴らしいとかすごいとか美しいとかの実感を伴ってこない。困ったものだよ。実はゴーギャンもちょっと苦手なんだ。バスキアなら逆にその天才ぶりを実感できる。みんなも主観ではそういうのあるだろ? 皆がいいと言っているものは、例外なく自分もいいと実感する……なんてヤツはおらん。そんなわけで、ドイグにピンとこないのは、マティスに近いからだ。つまり逆に、マティスやゴーギャンが好きだったら、ドイグにも飛びつけるであろう。
えー、さて淡々と続きを行くか。「ラベイルーズの壁」ホッパー風のちょっと寂しい感じ。おや、人物が頭に乗せている傘は、東京オリンピックで頭に乗せる小池トンマ傘ではないか。来年やるのかな。「馬と騎手」文字通りだが、壁が四角。「無題(肖像)」女性、胸出てる。それより傍らのヘンな抽象模様に目が行くが。「壁画家のための絵画(プロスペリティ・ポート・オブ・スペイン)」旗を並べたヤツ。「花の家(そこで会いましょう)」タトゥー人物か? 「ポート・オブ・スペインの雨(ホワイトオーク)」ライオンだじょ。「赤い男(カリプソを歌う)」「水浴者(カリプソを歌う)」同じような絵が並んでいる。いろいろ違うのだが同じという妙なものだ。「影」おお、骨が見える。「二本の樹木(音楽)」中央の影は、木の上の物体はなんだ? 「音楽(二本の樹木)さっきの絵の関連作品。中央の賭も木の上の物体も人物らしい。

「第3章 スタジオの中で」なんか映画サロンみたいなのをやっていたそうで、そのポスターが並ぶ。といってもどれもマティス風というかラフな感じの絵だ。私は以前は映画もずいぶん見てはいたのだが、すっかり見なくなりまして。何しろ映像酔いが酷くなった。もう2年ぐらい前かな「カメラを止めるな」手持ちカメラのゆらゆらで、ありゃあ死ぬかと思った(大げさだが)。3Dなんてじぇったい無理。で、見たことある映画のポスターもあるぞ。「お熱いのがお好き」おお、これはラストの名場面だな。「東京物語」これが東京とな? 「ドッグ・ヴィル」トリアー監督の異様な映画だ。ポスターは悪くない。「ゴースト・ドッグ」あーこれジャームッシュのだよ。もう一度見たいヤツだ。ポスターは、こんなもんか? 「HANA-BI」キタノのだぞ。「羅生門」見たっけ……ポスターは雰囲気出てる。「ピンポン」日本のあれか? ポスターはただのピンポンだ。「真夜中のカーボーイ」だからカウボーイって言えよっ! 水野晴男が悪いんだ。「HOUSE」見てないけど大林のあれか? 「ストレンジャー・ザン・パラダイス」ジャームッシュだ。結構好きな映画だぞ。
てなわけで、マティスやゴーギャンが好きならイケると思う。
https://peterdoig-2020.jp/
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あと、常設にある北脇昇の小企画も優れものだ。日本にもイカした超現実絵画の描き手がいるのだ。
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/kitawaki2020/

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