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2020年7月12日 (日)

開館記念展 珠玉のコレクション(SOMPO美術館)

チン……いや何でもない。ソンポ美術館ができました。前は損保ジャパン日本興亜美術館とか言ったんで「ジャパン日本」とか呼ばれてましたが、すっきり短くなりましたネ。高層階にあったのが建物も独立し、本社高層ビルの隣にカートリッジというかルーターというか、そういうPC周辺機器みたいな形状の建物です。高層階は、あれはあれで展望台にもなってよかったけどねえ。
コロナの密対策で、ここも日時指定になった。ここはイープラスのシステムを使用。直前に予約して行こうと思ったが、システムを初めて使うには登録や認証などがあり、時間食っていたら買いたい時間帯が売り切れてしまい、次の時間帯になってしまった。
コロナのせいかあるいはもともとそういう予定なのか、コレクション展。まー今なかなか海外から持って来れないし、せっかく持ってきても客が来なかったり、最悪また緊急事態で一時閉館とかなったら目も当てられない。なもんで、持ってるものでしのぐ。

展示室は6階から降りてくるのです。まず6階の最初は「四季折々の自然」で、日本画です。岸田夏子「桜花」、「桜華」。んー、まあ普通。「桜華」の方は色がオレンジっぽいね。次は山口華楊「葉桜」ん? 解説にはあれこれ書いてあるが、あまりどうということは……これ若描きのようで。「幻化」こっちはうまい。動物もの。おおっ、という感じ(説明になってねーな)。「猿(大下絵)」と「猿」。大下絵というのは下絵だけど完成品と同じサイズという大きなもの。つまり今回完成品と並んで出ている。東山魁夷「潮音」おお、さすがに様式がある。魁夷ブルーというんですかね、ああ魁夷の色だなと分かる感じ。平山郁夫「ブルーモスクの夜」これも色合いで郁夫だ。有島生馬「宮の下残雪」地味フォーヴみたいな。吉田博「興津の富士」前に損保ジャパンで個展やった時行って、えらい混んでて人気でしたな。際立った個性がある感じじゃないんだがなんでだろうか。岸田劉生「虎ノ門風景」小さいけれどいいんじゃないか。厚塗りだし。それから美術館の建物案。カートリッジいろいろ、みたいな。

階段を降りて5階。「FACE」グランプリの作家たち、ですって。やってるんだよこういうコンテストみたいなの。なもんで、一気に現代平面アート。川島優「Toxic」あーこれね、女性像だけど実物初めて見るけど知ってたよ。なんか写真をパクってしまったもの。ただ、見た限り、写真をもとに描いたにしても、そう問題はないと思われる。絵画でしか出せない感じ、というものがあるもんでね。写真を写真のように描いた、もんじゃないのだよ。まそう言ってもパクったという人はパクったと言うんだろうなあ。それから青木恵美子「INFINITY Red」うむっ、この手があったか、みたいな。赤い絵の具をタップリ使って花びらを描いたというよりキャンバスの上に作った感じ。これはなかなか、インパクトがあるぞ。庄司朝実「18.10.23」ええと、まあ幻想半透明人物みたいな。嫌いじゃないよ。仙石裕美「それが来るたびに跳ぶ 降り立つ地面は跳ぶ前のそれとは異なっている」大縄跳び。躍動感があっていい絵だ。縄の遠近感ってんですかね、それもいいですね。しかしおじさんは太ももとかに目が行ってしまうのだよ。いかんですな。えーそれから、他にも何人か出ている。

次は東郷青児コーナー。もう何度も見たヤツで。私はあの東郷美女ってんですかね、あの様式にゃ飽きてるというか、そんなにいいと思わんというか、萌えない。よってその様式でない方がよい。「超現実派の散歩」まあこれはよく見る。今回初期の「パラソルさせる女」というのがあって、おお、これは新鮮だお。キュビズムっぽさもある。あとは損保ジャパンこと当時は東京火災で、そことのおつきあい作品。保険案内とか、カレンダーとか、概ね美人画。右から左に読むヤツでもあまり古さを感じさせないのは、なかなか不偏なセンスをつかんでいるからと思われる。やっぱタダモンじゃないんだな。でもあとはまたおなじみの様式美女油彩、「花炎」とか「レダ」とか「望郷」とか、最初見た時は、おおーっ、とか思ったが、さすがに飽きた。あと立体もあったな。

4階へ。「風景と人の営み」で、当館が誇るグランマ・モーゼス。おばあちゃんが始めた趣味絵画が世界を席巻。古きよき農村。うまいのかというと、そうは見えないが、実は結構うまい、「いこい」における空気遠近法とか、なかなかちゃんとできてるじゃん。「夕暮れ」も色よろし。あとは東郷青児の風景、ユトリロが1枚……ユトリロにしては普通な感じ。ゴーギャンの、ここで毎回見てたヤツ「アリスカンの並木道、アルル」。飽きてるが実はいい絵なんだ。

「人物を描く」ルノワール2枚。ルノワールにしては小ぶりでイマイチな感じだけど個性はバッチリルノワールだ。しかも「浴女」は今回修復して色も明るくなって登場。修復を説明したパネルがある。いやー、ちゃんとした修復はまことにありがたいですなあ。先日どこぞで、家具屋にムリーリョをムリに修復させて台無しにしちゃった衝撃のニュースがあり、いや、あれはアカンやつや。そこそこだが無名の画家のキリスト像を猿みたいにしちゃったら笑い話で済むが、ムリーリョだぞ、「無原罪の神宿り」の人だぞ。シャレにならねえ。あとは有名どころの小品が多い、藤田嗣治、宮本三郎、ピカソ……このドライポイントの「抱擁」はなかなかピカソらしい肉弾戦でいいですな。ドニ、シャガール、東郷青児の自画像……おお、意外と男臭い荒っぽい絵だぞ。初期か。岸田劉生の自画像もあり。ルオーの「悪の華」の版画あり。それでいよいよ「静物画 - 花と果物」でセザンヌの名品「リンゴとナプキン」とゴッホ「ひまわり」んー、前は専用ルームがあったが、今は普通に展示。「ひまわり」ケースは豪華にして厳重だが。前と同じく、シートがあって座っても見れます。写真は撮れないが、外に複製があるぞ。

コレクション展でリーズナブル。別に密でもない。売店も広くなりましたな。
https://www.sompo-museum.org/

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